先週末は、1年ぶりの句会野分会の夏行に行ってきてんわ。会場は熱海。京都から新幹線に乗って、距離は東京より近いげんけど、かかる時間は東京より遠い・・・。なんともまぁ、不思議な感じ(笑)。人間が当然のことを超えてしまったいい例なんかもしれんなぁなどと考えながら熱海に到着。
京都よりは涼しいものの、やはり陽射はガンコ暑かったわぁ。スルメガ干される熱海の街をふらふらと歩きながら、太宰治も滞在した宿を公開しとるという起雲閣に行って来た。
太宰が玉川上水入水の3ヶ月前に愛人・山崎富栄と滞在した部屋に座り、句を詠んだ。
”硝子窓畳にもただ夏の空” 亜世
”文人を偲びて扇ぐ古扇” 亜世
”硝子ごし大正の館空涼し” 亜世(第2句会稲畑汀子先生選 入選句)
”外は夏内は大正硝子窓” 亜世(第2句会稲畑廣太郎先生選 入選句)
そして、ホテルへの途中詠んだ句が第1句会の特々選に選ばれた。
”日盛の信号もまた赤になり” 亜世(第1句会稲畑廣太郎先生選 特々選)

ほして夜は熱海の花火大会。相模湾に面した宿からは、大きく花火も見えた。
”大花火ボンネットにも踊りたり” 亜世(第2句会稲畑廣太郎先生選および安原葉先生選 入選句)
その他入選句
”片陰や新幹線の車内にも” 亜世(第1句会稲畑廣太郎先生選 準特選)
”片陰を求めて泳ぐ鯉もあり” 亜世(第2句会稲畑廣太郎先生選および安原葉先生選 入選句)
”歩いては熱海てふ名の極暑かな” 亜世(第1句会稲畑汀子先生選 入選句)
”路地裏の駐車場にも海水著” 亜世(第2句会稲畑汀子先生選 入選句)

入選ではなかったけれど、自分の中で気に入った句。
”夏朝陽相模湾をも鏡にし” 亜世
”炎帝も乗つて異国へ波の頂” 亜世
旅をしながら句を詠む、これからも続く・・・。
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